日本の戸籍制度は固有で、他国の住民登録制度とは大きく異なります。日本国籍者であることを前提にし、戸主単位で作られ、その家の系譜の記録にもなるこの制度は、特定のマイノリティ集団への差別に加担してきたのではないでしょうか。
例えば、戸籍に記載された本籍地や家族関係を調べることで、これまで数えきれないほどの部落差別が行われてきました。日本も加入している国際人種差別撤廃条約の第一条は、差別の根拠の一つに世系(血統や系譜)を定義しており、国連は、部落差別は世系に基づく差別であると見解を出しています。
戸籍制度はどのような目的で作られ、どのような役割を果たしながら、現在に至るまで維持され機能してきたのでしょうか。どのような問題をもたらしてきたのでしょうか。反差別国際運動は、戸籍制度の歴史を振り返り、この制度がもたらす問題に取り組んできた研究者および活動家に議論をしていただくことで、現代社会における「戸籍制度」を人権の視点から実践的に明らかにする連続講座を2022年に開催しました。
6回にわたる講座はいずれも本質を突くものであり、示唆に富み、刺激的です。各回の講演内容を文字にして、本書に収めました。一人でも多くの方々に読んでいただけることを願ってやみません。
(「はじめに」より)
【目次】
はじめに・・・3
戸籍から個籍へ、そして人権侵害を起こさない仕組みへ(二宮周平)・・・9
日本の植民地支配と戸籍 −『民族』と『血統』とは(遠藤正敬)・・・37
なぜ韓国社会は戸主制/戸籍制度を廃止したのか −被植民地秩序、家父長制解体をめざす市民の連帯から学ぶ(梁・永山聡子)・・・61
日本の無戸籍者(井戸まさえ)・・・95
戸籍とマイナンバー制度−国は何を考えているのか(遠藤正敬)・・・127
著者紹介・・・145
発行:2023年11月
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